「SPIN」03を持って家を出たのだった。佐野繁次郎装幀図録ということで、カラーページもたっぷりある。佐野繁次郎の装幀本は多くてよく見るのだが、これだけ揃うと壮観である。
西村義孝くんのコレクション談義も、ふむふむ、そうだろうそうだろう、と興味深く読んだ。また会って話したいなあ。私は大好きな上林暁でさえ、高かったら買わないという男なので、コレクターとは言えないが。
佐野装幀本で私が自慢できるとしたら、状態が悪いのだが、大江健三郎『夜よゆるやかに歩め』を持っていることぐらいか。それと井伏鱒二の『田園記』。
欲しいなあ、と思ったのは、太宰治の『女神』。古本屋さんで何度か見たことあるが。
淀野隆三日記。
私が淀野隆三の名前を知ったのは、梶井基次郎の文庫解説だった。この解説文がすばらしかったのだ。淀野の文章を読みたくなった。
日記は青春の煩悶期に入り増々面白くなってくるだろう。
北村知之くんの「エエジャナイカ」日記。自分の若い頃と比べて読んだ。北村くんと古本屋をまわるのは楽しいのでまた誘ってみよう。
この「SPIN」、しばらくは持ち歩いて読むことになるだろう。
売れるだろうこれは。というより、これが売れないようなら、ちょっとさびしい。
今日買った本でうれしかったのは、
諏訪優評論集『吠える』、1970年、他人の街社発行、支路遺耕治ブックデザイン、210円だ。
深夜のコミックショックで発見。ギンズバーグ論のようなものか。