古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

京都国際マンガミュージアムで開催されている「杉浦茂展」

zenkoh2009-03-30

 ある方より励ましのハガキをもらう。気持ちが弱っていることもあり、ありがたく何度も読み返す。
 中尾務さんから「CABIN」11号、林さんから「spin」5号、高橋肇さんより「gui」86号が届く。それぞれユニークな雑誌だ。
 「CABIN」は文学がいっぱい詰まった雑誌だ。小特集、小沼丹から読んでいこう。
 「spin」もますます面白い。北村くんが書いているのもうれしい。前号、林さんから北村くんの原稿がこないと聞いたとき、ぼくもよく書かないことがあって人のことは言えないが、「spin」はとばしたらあかん、と連絡しようと思った。でもまあ、色々事情(恋愛など)があるのだろうと思い我慢したのだった。淀野隆三日記を読み、復刻でもいいので、「青空」欲しくなる。でも復刻でも高いんだなあ。林さんの「花の巴里で古本屋を怒らせる方法」はうらやましい。といっても、ぼくなら、巴里に行ってもブックオフに通ってしまうだろうなあ。ぼくも行ったことはあるのですよ、巴里に。残念ながらブックオフはなかったけど。林さんがメトロで若い娘に抱きつかれた話もあるので、みんさんぜひ読んでみてください。外国にいくと色々あって面白い。ぼくも若い頃、スペインの公園でたばこをすっていたら、靴磨きのおっちゃんが寄って来て、タバコを一本くれと言われて、日本のタバコが珍しいのかと思い1本あげた。すると、そのお礼に、くつを磨いてあげるとぼくのくつにさわった。スニーカーだったので、それに気付いてやめるだろうと思っていたのだが、やめるどころか、口に釘をいれ、スニーカーの底に何やら鉄の金具を釘で止めてるではないか。そのすばやいこと。ぼくの足は強い力で固定され、そのチカラの強さに驚く。タバコをあげたのでお礼に、というのは、言葉がわからないので、ぼくの勝手な想像だったのだ。でもそういうジェスチャーだったので、うまくやられたのだ。
 スニーカーの底の金具は、確か日本円で8万円ぐらいした。何でやねん、勝手にスニーカーを磨き頼んでもないのに金具までつけやがって、と腹が立ったので、スペイン語のできる友人に、払えないと言ってもらう。おっちゃんが指差す方をみたら、たくさんの仲間が。仕方ないので、値切って値切って、たしか800円ぐらいにしてもらった。石畳を歩くと音がするので余計に腹が立ったことも覚えている。残しとけばよかったなあ、と今では思うよそのスニーカー。
 「gui」は、高橋肇「ほっとけの湯」由来記2、岩田和彦「気まぐれ読書ノート」、奥成達と読み進む。中津川洋ももちろん読む。
 そうそう、「みずのわ出版」からもうすぐ出る、高橋輝次『古書往来』が楽しみだ。古本仲間の高橋さんの本、きっと面白い。

 自転車で動き回る。
 上海ラヂオで、4冊買う。
 家に戻る。
 ぶんこどうで3冊買う。大田黒元雄『華やかなる回想』は音楽随筆集、昭和23年、アポロ出版。アサヒグラフの別冊2冊は俳句関係。
 欧文堂。
 福田屋。
 吉岡。
 水明洞で2冊買う。長篇三人全集と荻原井泉水『井泉水随談』、昭和18年實業之日本社、4000部、識語署名入り。
 ブックオフ三条。
 杉浦茂展で絵はがき3枚買う。
 スターバックスに入り、ブックオン中嶋くんに相談する。
 獺祭書房。
 善書堂。
 吉岡。
 井上。
 上海ラヂオで2冊買う。ああまた月亭可朝、買ってしまった。
 夜、風呂のなかで『自負と偏見』読了。E・M・フォースターが読みたくなった。
 おわり。