古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

ガケに古本追加

 ガケに16册追加する。山下くんやバイトの子子子さんといろいろ話す。子子子(ネネコ)さんは古本好きな女の子でぼくが持っていく本にも興味あるみたいでしっかりチェックしている。三人で本の話をするのは楽しい。
 このあといつものように、古本屋めぐりに出る。福田屋書店の店頭で、「文學界」臨時増刊の『村上春樹ブック』100円を買う。井上書店では、和田桂子『二十世紀のイリュージョン』を1000円で。副題に「ユリシーズを求めて」とあるように、ジョイスユリシーズ周辺のことを書いたエッセイで、前から読んでみたいと思っていた。ユリシーズは最後まで読んでいないが、ジョイスには興味がある。翻訳のことにしてもこのユリシーズはいろいろあって面白い。
 ジョイス受容の歴史については、川口喬一の『昭和初年の「ユリシーズ」』(みすず)という本が出ている。この本も未読なのだが、できれば古本で見つけたいと思っている。
 白地社のこのシリーズ「叢書レスプリ・ヌーボー」はよくできたシリーズだ。内堀弘さんの『ボン書店の幻』が入っているといえば、ああ、あのシリーズか、と分かってもらえるだろう。
 図書館に借りていた本を返し、二条通りの水明洞、中井へ、そして三条ブックオフへ。何も買えず淋しいので、出町柳のコミックショックに向かう。そこで、
 イーヴリン・ウォーの『ブライヅヘッドふたたび』(ちくま文庫吉田健一訳)210円、檀一雄短編集『花筺』(冬樹社)105円。まあ、今日はこれぐらいにしておこうと、家に帰った。