古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

キリン書房

 岩手県盛岡市のキリン書房から、注文していた、矢川澄子『おにいちゃんー回想の澁澤龍彦』が届く。有元利夫の装画も細江英公が二人を撮った写真も素晴らしい。今は『藝文往来』を読んでいるので無理だが、読了して、書評を書き上げれば、すぐに読みはじめたい本だ。澁澤龍彦の回想本もたくさん出ているが、それぞれ読み比べてみるのも面白そうだ。
 今日は寝屋川の金箔書房に行こうと家を早めに出るが、あーす書房の店頭の本に呼び止められたので、ちょっと自転車を降りた。四方田犬彦平岡正明『電撃フランク・チキンズ』(週刊本)、大井廣介『藝術の構想』(昭和15年、竹村書房)、清岡卓行『抒情の前線』は現代詩人論、諏訪優訳『アレン・ギンズバーグ詩集』(1965年、思潮社)。全部100円だった。平凡社の雑誌『月刊百科』をたくさんもらった。電車で見てみると、今福龍太『「言葉以前」へのまなざしー戸井田道三の思考』上下が載っていた。
 金箔書房では、澁澤龍彦『快楽図書館』1400円、中山省三郎『ドストエフスキー』(柴野方彦の世界文学社発行)100円、吉行淳之介『やややのはなし』100円、水木しげる『鬼太郎の地獄めぐり』50円。『快楽図書館』は、掲載書目書誌も巻末について、丁寧な編集ぶりだが、製本が悪いのか、ページを開くのに気を使う。割れてしまいそうだ。
 寝屋川駅を越えてブックオフに入る。深田久弥の研究『読み、歩き、書いた』105円。この本は始めて見た。こんな本が出てたんだ。深田クラブも知らなかった。知らないことばかり。小林信彦片岡義男の対談集『星条旗と青春と』200円。