古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

古本の神様久しぶり

zenkoh2008-10-16

 今日は特別な本と出会えた。
 池長孟『南蛮堂要録』、昭和15年、池長美術館発行、100円。
 だれも褒めてくれないかも知れないので、自分で言うことにするが、これは年に数回あるかないかの凄い買い物だ。
 ヨコハマ古書まつりの目録で、西田書店さんが出しているが、その値段を見たときも安いと思ったぐらいの本です。
 池長は南蛮美術のコレクター。この本には、蒐集内幕噺や苦心談、といった随筆も数多く入っている。文章もなかなか魅力がある。
 池長孟のことは、スムース3号関西モダニズム号に林さんが書いている。取り出して読んでみると淀川長治自伝のことにまで触れてさすがである。
 こういうとき、スムース総索引があれば便利だと思う。
 これで調子に乗り他にもたくさん買ってしまった。
 高橋英夫『友情の文学誌』は岩波新書。プロローグの「友情の遠近法」を立ち読みして大いに買おうかどうか迷ったが、そのあとの「漱石と子規」「鴎外と若き友」「芥川龍之介とその周辺」「白樺派の人々」「小林秀雄の世代」「白洲正子、そして吉田健一」などに期待して買うことにした。
 荒川洋治詩集『倫理社会は夢の色』
 『新潮名作選 百年の文学』
 辻静雄エスコフィエ 偉大なる料理人の生涯』
 『山下清の放浪日記』
 阿部謹也『自分のなかに歴史をよむ』
 長谷川集平『鉛筆デッサン小池さん』、永島慎二のイラスト。
 など。