古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

今日も

zenkoh2008-05-04

 ガケ書房に古本を追加する。
 そのあと、ぶんこ堂へ。するとちょうど店から出てきた女性が。なぜか目が合い思わず挨拶する。感じの良い人だったのでよかった。でないと、なんやこのおっちゃん、という眼で見られていたかも。
 ぶんこどうでは何も買えず、やはり勧業館へ。
 もう何度も見ているので、自分の興味ある本がどの辺にあるかわかっている。Mさん、佐々木くんと出会う。本の量が半端じゃないので、ぼくは、ぼんやりしている。
 生島遼一『蜃気楼』、1976年、岩波、中川久定宛献呈署名入り、500円。
 持っているので、そちらの方は売ろう。いいエッセイ集なので、たくさんの人に読んでもらいたい。
 一人三人全集の2、林不忘『丹下差膳』、1970年、河出書房新社、400円。横尾忠則装幀のこの全集、特に珍しい本ではないが、そんな安い値段は付いていない。1000円以下で見たのははじめてだ。欲をいえば、他の巻がほしかったが。これは横尾忠則装幀本のなかで、代表作のひとつといっていいのではないか。
 ラクロの『危険なる知己』、昭和4年、限定1000部の猟奇叢書、1000円。迷った迷った。
 くたびれた表紙を触って味わい、ページを開いて少し読むと、もう買うしかないと思った。
 日夏耿之介西條八十、矢口達の名前があり、翻訳者代表には、矢口達の名前。
 これだけ買って、水明洞へ。
 ここの100円棚、まめな追加があるので、うれしい。1号店を100円均一の店にしてほしい。そうなると、きっと、世界一の均一店になるのではないか。そんな店になりたくない、と言われそうだけど、ぼくとしては、なってほしい。
 100円の本ばっかり買って悪いという気持ちもあるが、一年間で考えると、2、3万は買っていると思う。何を言いたいのかわからなくなってきた。
 水明洞で買ったのは、
 平野威馬雄『続おとなを寝かせるお伽噺』、住吉新書、100円。
 ブラントーム『艶婦伝』、昭和23年、新樹社、100円。
 『続危険な関係 セシル・ド・ヴォランジュの手記』、伊吹武彦訳、昭和23年、創元社、100円。
 これは、ラクロの『危険な関係』に出てくる作中人物、本人が語るという形式をとっている。
 それにしても、100円と書いたときに感じる安心感はなんと魅力あるのだろう。
 こんないい本が100円で買えるのか、という驚きも大切にしたい。