古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

樟葉のブックオフ

zenkoh2007-09-19

 樟葉のブックオフに行くことにする。駅から離れているので、「よし、行こう」と気合いをいれないと、なかなか行けない。
 その前に、吉岡書店を覗いてみる。店内左の文庫棚に、安藤鶴夫『寄席紳士録』があった。何冊か持っているが、定価の半額(60円)なので買っておく。
 出町柳駅から、特急に乗り、樟葉で降りるのだが、寝てしまわないようにしないといけない。島村利正の『桐の花』を車中で読了する。どう贔屓目にみても、傑作とは言えない作品だった。贔屓目にみているだけに残念だった。
 樟葉で降り、水嶋書店に入る。あるある、よしよし。ブックオフまでは結構な時間がかかる。暑いし大変。歩きながらあれこれ考えるというか思い浮かべるというか、頭のなかはぐるぐる回転していた。
 樟葉のブックオフ、久しぶりだったので、じっくり見てまわる。なかなか買えなかったが、丸谷才一『猫のつもりが虎』を手に取ると、ほかの本も買う気になれた。『猫のつもりが虎』は、和田誠のカラーイラストがたっぷり入っていて楽しそうだ。探していた、有吉佐和子『げいしゃわるつ・いたりあの』があった。佐野繁次郎装幀の本。カバーをはずして額に入れたいような気持ち。中脇初枝の『魚のように』は、坊ちゃん文学賞受賞作品で、こちら木村繁之の装幀もよかった。このあとすぐ読んだが、いい小説だと思った。たしか河出文庫に入ったのだったな。でもこの新潮社版はいい出来で、装幀の良さで買ったようなものだ。庄野英二『馬の結婚式』、編集工房ノアの本はつい買ってしまう。中島らもの『微笑家族』も買う。谷川俊太郎『クレーの絵本』も。しかしこれらみんな105円とは。
 枚方駅で乗り換え寝屋川で降りる。金箔書房へ。富岡多恵子の第二創作集『仕かけのある静物』が200円。色といい、函から抜き出した本の感じといい、ちょっと感じがちがうな、と思ったら、石岡瑛子の装幀だった。復刻本、広津柳浪の『河内屋』も200円。こんなカバーが付いているとは知らなんだ。村上ポンタ秀一『自暴自伝』は文庫で、50円だった。前からポンタという名前はいったいナンなんだろうと思っていたのだが、その説明もありすっきりした。
 このあと寝屋川のブックオフにも寄り、がんばった。売る本として、文庫本を数冊購入する。それと、田鶴浜弘『プロレス血風録』(昭和43年)も105円で。これ結構珍しいのでは。