古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

萬巻とどく

zenkoh2007-09-20

「萬巻」(天神さんの古本まつり目録)届く。口笛文庫小林信彦に驚く。
 今日は、「水明洞」に寄った。少し追加されていた。二葉亭の全集が5冊ぐらい出ていた。明治末に出た(博文館)ものなので、しばらく迷うが、荷物にもなるし、いろいろあって、やめておく。よく考えると100円なのだから、買っとけばよかった。秋の夜長に、二葉亭の翻訳を、明治本で、ゆっくり読めたのに。
 そのかわり、「一葉全集」前編(明治45年、博文館)、と「柯公全集」第三巻(大正14年、全集刊行会)、「文學界」を買う。
 自転車を出町柳駅前に置き、三条ブックオフに急ぐ。エレベーターで三階に。画集の棚に向かうと、「びわこのなまず」先生がへばりついていた。少し立ち話。
 昨日、林画伯が、金子國義の献呈サイン入りの本を、この棚で見つけたというので、急いで来たのだ。もちろんもう無いわけだが。言い訳をする必要もないと思うが、ひとこと言わせてもらえば、ブックオフのいいところは、ここにあるのだ。せっせと棚に追加する、働き者のアルバイトがいる。だからぼくも毎日のぞきたくなるのだ。
 小谷野敦『退屈論』だけ買って寂しく店を出た。
 車中で『暗夜行路』を読む。一年に一回は読みたくなるのだ。序詞が全体を包んで見事だと、いつも思う。亡き母を思い出すところ、屋根にのぼって唱歌を歌うところ、実にいい文章だ。
 ビールを飲みながら、ズート・シムズとバッキー・ピザレリのデュオを聴く。1980年ニューヨークでのライブ。相変わらず、ズートをよく聴いている。飽きないなあ。