古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

今日もS洞

zenkoh2007-09-13

 恥ずかしながら、今日も、ヤドカリさがしに行ってきた。ヤドカリは一匹も見つからなかった。
 でもいい本、買えた。『現代小説選集』、大正9年、新潮社発行。この本は、田山花袋徳田秋声、誕生50年を記念して作られたもの。このときの祝賀会は盛大なものだった、というのは、いろんな作家のエッセイで読んだことがある。目次をみると、大正期を代表する作家たちが網羅されている。順番は原稿の到着順だと言う。相馬泰三、加能作次郎、水守亀之助、葛西善蔵中戸川吉二近松秋江、など渋い名前が並んでいて、愉快愉快。見返しには、津田青楓の絵。これが、函もちゃんとあって、100円とは。
 広津和郎の『若き日』(全國書房)と一緒に買う。広津桃子の『春の音』があってよろこんだのだけれど、これは父のことを書いた小説集、でも、傷みがひどく、それで悩んだすえ、置いてきた。
何だか、読みたくて読みたくて、10分ぐらい悩んでしまった。途中、ティッシュで拭いたりしたが、割れていたし、どうしても買えなかった。一度読むだけでもよかったので買っておけばよかった。
中公文庫のものとちがうのだろうなあ、などと思いながら出町柳に戻った。
 ブックオフで。北林谷栄『蓮以子八十歳』105円、福永武彦『意中の文士たち』上、105円、『ヘミングウェイ釣文学全集』上、105円。今日は、上ばっかりだったなあ。明日、下、があるかもね。
 京橋の紀伊國屋書店に寄るが、欲しい本がいっぱいあることに驚く。全部買えれば気持ちいいだろうなあ。

 これから、工作舎対談に書き込む。