古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

北園克衛と花森安治

zenkoh2007-09-08

 「中央公論」の表紙を何度もながめる。「中央公論」と言えば、滝田樗蔭や木佐木日記を思い浮かべる私は、相当なおっさんか。表紙を見ていると、なぜか、大学5回生のころを思い出した。留年したわけだが、卒論だけを残してのことだったので、気楽なものだった。親不孝なことで情けないが…。わざわざ京都に下宿して、古本とジャズの日々だった。卒論は、E・M・フォースターだった。指導教官は、越川先生。就職のことは考えず、呑気なものだった。文学の世界にどっぷり浸かっていたが、自分が何か書くようになるとは考えられなかった。あかんあかん、酔っぱらってきた。変なこと書きそうな気がするのでもうやめとこう。
 扶桑書房から、高見順『手袋』(版画荘文庫)と北園克衛表紙の『cendre』が届く。
 昼過ぎに、ガケ書房に入り、善行堂に古本追加する。よく売れている。いい本をどんどん置きたい。山下くんと話す。山下くん、ずっと血液型、O型だと思って生きてきたのが、最近A型だとわかったのらしい。とまどっているみたい。「最近、変なことせえへんかったか。変なことしたら血液型、変わるみたいやぞ」というと、「えっ、本当ですか」と心あたりがありそうだった。そのあと、「血液型って変わるんですか」とかいいながら、パソコンで血液型のことを調べていた。
 ぶんこ堂、紫陽書院、福田屋、吉岡とまわる。吉岡書店で、「中央公論」の記事のこと、喜んでもらえる。
 ヴィアントでカレーを食べて、水明洞へ。うれしい一冊があった。花森安治『暮しの眼鏡』100円はうれしい。『春燈』は、久保田万太郎追悼号、これも100円。調子にのって、ブックオフまで足をのばす。須賀敦子『時のかけらたち』105円。これはユリイカに連載されたもので、欲しかったもの。