古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

大変なことに

zenkoh2007-07-13

 井上書店に前からあった、寺山修司の『思いださないで』を今日は買うことにする。1000円。新書館の「フォアレディスシリーズ」は全部売ってしまったので、一冊ぐらい持っていたいと思ったのだ。宇野亜喜良のイラストがかわいい。「富山房」にも寄る。後藤明生の『笑い地獄』を400円で購入する。NHK人間講座森まゆみ四方田犬彦吉行淳之介『私のうちなる女』、3冊で200円。
 こんな呑気なことを書いてる場合じゃなかった。
 昨日、家に帰りつくと、本箱の前に積んであった本が半分以上なくなっているではないか。「これどういうことや」「どこにやったんや」
 でも妻はただ笑っている。「あのなあ冗談はやめとけよ」「ただの本に見えるけどな、ほんとに大事な本があるんやぞ」「あほになったんとちゃうやろな」探しまわると、押し入れに掘り込んであった。理由を聞いてさらに驚いた。マレーシアからホームステイに来るという。3日間だけだというが。
 「あのな、おれが外人苦手なん知ってるやろ」「本を隠してもあかん、日本のちょっと貧しい家がみんなこんな家やと思ったらどうすんねん」「国際問題や」「何、女子高生か、それでもあかん、この家、こわいー」なんて言われるぞ」
 「それやったら、この夏、おれは旅行にいくからな」「なにあさって来るてか」
 こんな感じで、もうどうしようもない。明日到着とのこと。笑顔は忘れないつもりだが、どうなることやら。「こわいー」というのは冗談でなくなるかも。やっぱりフォローが必要になるだろう。私は古本ソムリエといいます。これを英語で言って、去年のLマガジンの表紙も見せて、このひとがわたしです。とこれも英語。ここにある本を全部読んだとは思わないでください。私は主に均一台で100円の本を見つけます。ゴッドハンドと言われたこともあります。この前、外市というイベントがあって、…、全部英語で言えるかな。もうやめとこう。もちろんビール飲んでます。
 でも本当の話なのだ。日曜日、逃げ出して、大阪の古本屋さんをまわろうか。