古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

春の古書大即売会

 朝はやく目が覚める。雨のようだけど大丈夫。勧業館には屋根があるから。
 15分前に着き入り口の前で並ぶ。この時間は長くていやだ。作戦を立てようと思うが、うまくいかない。とりあえず入ってずっと右の方に走っていく自分の姿を思い描く。
 今日はなかなか調子よくまわれた。そのときの調子というものがあって、集中できない日もある。春の勧業館の場合、値段はきっちり付いているので、どうしても数多くというわけにはいかない。一冊でもいいじゃないか、と最近やっと思えるようになって気持ちが楽になった。
 上林暁の『姫鏡臺』は、ずっと探していた角川文庫。400円で買うことができてよかった。結構高いのだ。小林信彦の『東京のドン・キホーテ』は持っているが買っておく。この本は売ることになるので買った値段は書かずにおこう。以前、200円で見つけたことがあったが、もちろんそんなには安くなかった。
 『志賀直哉の手紙』は昭和11年、山本書店発行。500円なので買っておく。山田稔エッセー集『ヴォワ・アナ−ル』(朝日新聞社、1973年)500円、辻村章宏の装幀、挿絵がいい。岩佐東一郎『茶煙閑語』は昭和12年、文藝汎論社、限定500部、1500円だった。カバーか函があったと思うが、裸本であった。
 ブックオフ三条店に寄り、佐々木浩の詩集『やさしいめまい』を105円で。