古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

春休み最終日

 桜を見ながら、河原町四条までゆっくり歩く。やはりコースは古本屋さんの前を通ることになっている。買えたのはブックオフ三条店。値段はすべて105円。
 旺文社文庫四冊は江國滋のエッセイ集。『鬼たちの勲章』『絵のない似顔絵』『男性作法』『男女驚学』。副題にー語録・名編集者の秘密ーとある『鬼たちの勲章』は名著だ。持ってない人はネットで注文しよう。
 第一部は、初代編集長登場となっていて、「週刊新潮」佐藤亮一、「平凡パンチ」清水達夫、「週刊文春」上林吾郎、「少年マガジン」牧野武朗、「プレイボーイ」五十嵐洋、などなどである。
 第二部は、伯楽登場で、「作家の涙を知る人」本郷保雄、「ある武勇伝の背景」松下英磨、「作家のしごき方教えます」は木村徳三になっている。その他にもたくさんの編集者が登場して楽しい。解説は宮脇俊三である。『絵のない似顔絵』は交友録で、こちらも読んで楽しいものになっている。
 永江朗『批評の事情』(ちくま文庫)は、面白いものであってほしい、と思い思い買った。イザべラ・バード『日本奥地紀行』は平凡社ライブラリーの一冊。さすがの平凡社ライブラリーである。明治初期の日本旅行記で、「アイヌの生活」など面白そう。訳者の高梨健吉は、あの『基礎からの英語』の高梨健吉なのだろうか。そうにちがいあるまい。
 柴生田稔(しぼうた・みのる)『短歌と共に』、奥野健男北杜夫の文学世界』
『世界×現在×文学 作家ファイル』は、ポルトガルの詩人、フェルナンド・ペソアで始まっている作家案内。これだけ買っても1000円かからないのだから、古本は安いもんだ。