古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

思慮ふかく動かぬものたらんより、思慮もなく動くものたれーキーツ

 今日は予定では、午前中に店舗の戸周辺の木の部分に柿渋を塗り、水明洞に寄って河原町、1時ごろ阪急で神戸へ出る、そんな予定だった。
 それが目が覚めたのが、1時40分。残念、神戸の海文堂へ行きたかったなあ。
 野口冨士男の『暗い夜の私』が届いたので、早速読み始める。
 武田麟太郎の2冊の本から話がはじまる。
 野口は、紀伊國屋から出ていた雑誌「行動」の編集部に入るのだが、そこでの話も面白く、そのころ野口が出会った女性の話には胸がキュンとなった。
 野口冨士男も目に付けば買って来た好きな作家だ。この『暗い夜の私』には、文学の匂いがいっぱいだ。高橋輝次さんは読んだかなあ、この本。
 予定は狂ってしまったが、水明洞には行って来た。
 こことぶんこどうとよしおかはきつとふるほんやになつてもときどきなんとかつごうつけてくるだろうなあ。
 ここには琵琶湖のなまず先生がいて、われわれはおこぼれをもらっている感じなのだが、それでもときどき驚くような本に出会える。
 もちろん波があっていつもいつでもというわけにはいかないが、最近またたくさん買える波になっている。
 今日、うれしかった本は、
 『現代新選女流詩歌集』、昭和5年、太白社。大正から昭和初期の紙の匂いが。