古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

岡崎武志『読書の腕前』

 天牛堺書店に電話して、今日の均一価格と何日目かを聞く。980円で3日目だという。また今度にしようと思い、天神橋筋の天牛に向かった。
 夏目漱石彼岸過迄四篇』(大正9年重版、春陽堂)350円、浅見淵『昭和文壇側面史』300円、江戸川乱歩『探偵小説四十年』1、150円、ガードナー『幸福な脚』50円、などを購入する。夏目漱石のには、「漱石氏の危篤」という新聞記事が挟み込まれていた。本の状態もよく自分としては、これぞ古本だ!と叫びたくなるような本だった。浅見淵の『昭和文壇即面史』は箱入りの講談社本だが、函から抜き出してみると、阪急百貨店書籍部のカバーがかけてあった。あの阪急色である。阪急百貨店の書籍売り場にはよく行ったものだ。言葉では説明しにくいが、カバーのかけかたが独特で、それを見に行っていた。見事な手付きであった。これ、わかる人いるかなあ。手付きだけでなく、カバーがかかった本を見れば独特なのがわかるのだが。『昭和文壇即面史』は文芸文庫でも読めるが、単行本には、写真がたっぷり入っている。これもよかった。
 ドトールで熱いブレンド珈琲を飲んでもう一度幸せを味わう。
 仕事を終え家に帰ると、岡崎から『読書の腕前』が届いていた。今読んでいる本をひとまず横に置いて、明日読むのが楽しみだ。いい内容であってほしい。
 肥田晧三さんから、返信があった。