古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

恩地孝四郎

 昨日は眠くて眠くてこの日記書けなかった。だから昨日のことをちょっと書いておく。
1、加藤一雄『近代日本の絵画』100円、徳力富吉郎『日本の版画』200円、蓮實重彦夏目漱石論』(福武文庫)105円。
2、文藝雑誌『SNAKE』が届く。
3、新潮新書、村井幸三『お坊さんが困る仏教の話』届く。
4、某新聞社文化部記者と宇崎純一のことについて電話で話す。
5、深夜、岡崎武志と電話であれこれ。


1、加藤一雄が100円なら何冊でも買う。2、大正7年のこの雑誌は、福原麟太郎が大正6年、23歳のときに同人になったというもの。大変なお金持ちが贅沢に作ったというもので、福原はこの号には書いていないようだが、別の号に小説を3つ書いている。この日届いたのは、第四年五月号で、驚いたのは恩地孝四郎の「芽になること」という扉絵があったことだ。大正六年、七年の恩地孝四郎はすごい。大正六年、恩地は26歳、萩原朔太郎の『月に吠える』の装幀を担当しているし、大正七年には、室生犀星『愛の詩集』の装幀をしている。この『SNAKE』の「芽になること」はまことに珍しいと言えるだろう。『SNAKE』は調べてみたらいろいろな発見がありそうだ。