古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

雨の日曜日

 太田治子『手記』を読む。太宰の「この子は私の可愛い子で父をいつでも誇って健やかに育つことを念じている」という言葉を支えに生きている母娘。
 たしか太宰はこのことばを残しこの母娘に会いにはいかなかった。でもこの認知のことばにはチカラがあるなあ。
 三島由紀夫の『戯曲 黒蜥蜴』も読了する。
 乱歩の『黒蜥蜴』の冒頭は、
 ーーこの国でも一夜に数千羽の七面鳥がしめられるという、あるクリスマス・イヴの出来事だ。
 これでもう乱歩の世界に入っていくのだからすごい出だしだ。
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 奈良の古本屋、酒仙堂さんから電話。鍵を智林堂さんにあずけておくから自由にどうぞ、という内容だった。
 いろいろ気を使っていただきありがたいです。廣瀬さんと西川さんに、酒仙堂を見てもらいたかったのでよかった。そのあと、ちりんちゃんから電話。いろいろお世話になります。
 24日、火曜日、奈良の古本屋さんをまわります。久しぶりなのでワクワクするなあ。
 電車も久しぶり。毎日東大阪まで通っていたのがうそみたいだ。奈良への近鉄電車も好きだ。景色もいいし、ちょっとした旅行気分も味わえる。
 どの本を持って行こうかなあ。アルルカン書房の宇野浩二にしようか。谷崎精二にしようか。