古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

買えないソムリエ

 5日のつづき。
 方向音痴なので、自分が今、東京のどのあたりにいるか、全くわからず、駅でいちいち聞いている。それも運賃のことだけ。
 コクテイルの前に夕食を食べたのは覚えているが、その前、東京堂を出てから、どこか古本屋に寄った気もするはやくも忘れてしまった。
 コクテイルでは、一番奥の席に座らせてもらい、ここでもまた、岡崎のリードで何とか話終えた。前田くんや大井さんも来てくれた。
 前田くんは、アスペクトに入ったみたい。北村くんや三谷くんの話をした。この三人は、よく本も読んでいて、ぼくはこれからの活躍を期待している。
 内藤千代子を調べている東大の女の子もいた。武林無想庵なんて名が普通にそのかわいい口から出てきたので、えっと驚く。
 戸田勝久さんとも親しいということでした。若い人たちが興味ある対象を見つけて学んでいる姿はいいものだなあ。
 ぼくもそろそろこれぞと思う人を決めて調べていくのがいいのかも。
 コクテイルでは、たくさんの人と話ができてよかった、楽しかった。石丸澄子さんにも直接装幀のお礼が言えてよかった。
 ぼくはお酒が弱いのだが、夕食のときビール中ジョッキ一杯、コクテイルでビール2本飲んでしまい、酔っぱらっていた。
 このあとカラオケに行くが、ここでもビール2杯飲んだ。カラオケは、1年ぶりか、いやもっといってないのじゃないか。
 工作舎の石原さんが撮った写真を見ると、ヨッパライのおっさん(ぼく)が、はじけて写っていた。
 翌日の古本ツアーで全く力がでなかった。疲れていたのもあるが、なぜか、そんなに古本買いたいと思わなかったのだ。
 これは自分でも不思議だった。外市でも買えなくて泣きそうになった。そんなとき、こうのさんがやさしく声をかけてくれたのがうれしかった。
 古本に向かわないこころがあったなんて。今も続いているがどうなってしまったんだろう。
 もう古本卒業なのか、よくわからない。考えられるのは握手のしすぎでエネルギーを出しすぎたことだ。
 これからは握手をやめて、ハグにしたほうがいいのかも。
 とにかくみんなに申し訳なかった。ぼくはやっぱり孤独な狩人なのかも知れない。
 これから、みんなで回ろうなんていいません。荷物もちましょうか、と何度もいってもらい、やさしい人たちでした。
 ちょこっちょこっと、来てくれたみなさんと話ができたのはよかった。
 増刷が決まれば、今度こそ古本ソムリエの腕前をみなさんに見せることができるツアーを考えてもらおう(なんだ反省なしか)。


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 Lマガジンの新連載で取り上げる本をあれこれ考える。
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