昨日のことになる。
京阪特急に乗り枚方で途中下車する。
本当は金箔書房に行きたいのだが、その時間はなさそうだ。
手塚るみ子『オサムシに伝えて』、1994年、太田出版、105円。
手塚治虫の長女の回想エッセイ集。これまで4、5冊買っていると思うが売ってしまって残っているかどうかわからないので、この本は残しておこう。
辻邦生・山本容子『花のレクイエム』、1996年、新潮社、渡辺和雄装幀、山本容子の銅版画がカラーでたくさん入っている。105円。
庄野潤三『エイヴォン記』、1989年、講談社、105円。
これは特にうれしかった。本にまつわる物語エッセイという趣きがある。こんな風に始まる。
ーーー本棚お前に入り切らない本が積み上げてある。その中に文庫本ばかり積み重ねた山がいくつか出来ていて、読みたい本があるときは、その山を崩さないように気を附けながら探し出す。デイモン・ラニアンの短篇集『ブロードウェイの天使』(新潮文庫・加島祥造訳)は、五つほどある文庫本の山のうち、いちばん背の高い山の……。
たくさん本がでてくるのがうれしい。このあとも、ツルゲーネフの『猟人日記』の下が見つからず、その探し出すことの困難についても語っている。
ぼくが庄野潤三選集をつくるとしたら、この『エイヴォン記』から、いくつか頂くだろう。
谷沢永一『本はこうして選ぶ買う』、105円。
これは買うの迷いました。というのは、こんな文章があるからだ。
ーーー私は羽仁五郎を一行でも賞める人に、読書について、学問について、一言も語る資格はないと思っている。ーーー
ぼくはこういう文章が目立つようになったから谷沢永一を読まなくなったのだと思う。
ではなぜ買ったのか。「古本屋と昵懇になる法」が入っているからだ。
日本橋筋ー円本ー磯やんーカズオ書店ー天地書房ー尾上蒐文洞ー浪速書林ー黒木書店ー目録。
これは文句無く面白い。「辞書の買い方」というのも読める。
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ここからは、9日のこと。タイトルは、「署名本二册」
東京堂書店の週刊ベストテン、第一位になりました。買って頂いた方に感謝したいと思います。
昼頃、ジュンク堂の井上さんからイベント終了の電話がある。サイン会までしていただきありがとうございました。
古本もたくさん売れました。8月、岡崎がもどって来るのでどこかでパーッと遊びましょう、ということになった。
「キャラメルママ」の移転祝いとからめて、下鴨古本まつりの初日の夜、何かイベントをしたい。
東京からも、たくさん来てくれるかも。
今日、吉岡書店の店頭で、
貝塚茂樹『わが歳月』、これは自伝。物理学の湯川秀樹、中国文学の小川珠樹は弟。
それにしてもすごいかしこい兄弟だ。
前に読んで面白かったので売ってしまったもの。300円は安いと思った。線引きがないかページをめくったら、署名があった。
G・ヘミングウエイ『パパー父ヘミングウエイの想い出』、あぽろん社、300円。
「まえがき」は、ヘミングウエイの『海流の中の島々』より、息子グレゴリーについてのところ。『海流の中の島々』を読み返したくなった。
そういえば、この文庫、最近見なくなったなあ。
『ちくま文庫解説傑作集』は非売品。はじめて古本屋さんで見た。これは持っているので、ガケ書房に出します。
時間があったので、寝屋川に行くことに。
金箔で、いつもお世話になっているので、『新・文學入門』を読んでもらおうと、差し出すと、「読みたかったから買わせてもらう」
とのありがたいお言葉。うれしかった。
ブックオフに寄ると、ずらっと。吉行淳之介が105円棚に並んでいた。みんな買うわけにもいかず、4冊選ぶ。
そのなかに、サイン本が一冊あった。うれしかった。