古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

細川叢書入手

 13時かっぱ横丁前で、LマガジンのTくんと待ち合わせ、近くの喫茶店であれこれ話す。
 本棚通信のページが次号から新しくなり「天声善語」も前号で終わりということになった。
 42回、書いたことになる。三年半もの長い間、読んで頂いた方に、感謝したいと思います。
 Lマガジン読んでますよ、と言われることが多くなり、たいてい女性だということもあって(笑い)、うれしく感じていた。
 「天声善語」は、力一杯に書いたつもりです。これが面白くなければ今のぼくが面白くないのだと思う。
 この42回は何らかの形で本に出来たらいいなあ、とも思っている。自費出版という形ででも、ということです。
 100部ぐらい作るのもまた楽しいかも。でもやっぱり書店に並び新しい読者にも読んでもらえるのがベストだ。
 それで、次号からは、またちがった連載がスタートします。そのことでいろいろ相談した。気がつけば2時間半も話していた。まあ、ひさしぶりだったこともある。
 このあと、もちろん「かっぱ横丁」をうろうろする。
 加藤京文堂で、
 プロスペル・メリメの『イールのヴィーナス』、杉捷夫訳、細川叢書4、署名入り、1000円。
 細川だより17も挟んでありうれしい。細川叢書は全12冊。昭和22年から24年にかけての出版だということを考えると、
 本にかける情熱がガンガン伝わってきて、奇蹟のようなものだと思う。野田書房のコルボオ叢書に影響を受けたものだというのは
 細川だよりにも書いてあるが、どちらも志の高い立派な仕事になっていて感心する。メリメも大好きなので、大好きなメリメを大好きな細川叢書で読めるのだと思うとこころが晴れる。
 これを新幹線で読むことにしようか。うーん、まだ迷いそうだ。
 梁山泊で、
 牧経雄『製本ダイジェスト』100円。造本が甘いなどとつい書いてしまうので、ちょっと勉強しようと思って。
 レオ・フロベニウス『ブラック・デカメロン』角川文庫、100円。これは帰りの京阪特急で読み、ちょっと興奮して困った。