古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

ぶらっと古本さがし

 昼間はぐうたらする。疲れている。寝転んで、荒川洋治の『本を読む前に』を読む。造本が頼りないので割れないように読む。
 寺島アキ子の長文手記「逃げた女」の話が出てくる。この寺島アキ子手記の書き出しは、
 ーーーわたしは、母が、わたしの生まれる前に、葉山嘉樹の妻だったことを知らなかった。ーーーだという。
 「新潮」1997年5月号に掲載されたというが、読んでみたいと強く思った。葉山と3年間の結婚生活のあと2人の子供を残し逃げて行ったという女性。
 寺島さんが葉山嘉樹の小説をかたっぱしから読んでいくシーンがあるという。
 図書館にあるだろうか。コピーでも読んでみたいと思う。
 東京遠征のとき新幹線で読む本をいろいろ考えている。今の所は、荒川洋治の『黙読の山』にしようと思っているが、また変わるかも知れない。寺島アキ子の「逃げた女」かも知れないし。もう少し考えよう。これまでの経験でいうと、持ってる本の中から選ぶより、そのことを理由に新たに買う方が多いみたいだ。
 昨日もぐうたらしていたので、古本さがしに出かけることにする。
 筑摩の世界ユーモア文学全集10、カミ『エッフェル塔の潜水夫』。この花森安治装幀の本は気に入っている。真鍋博の絵もよく、訳者の吉村正一郎のサインも入って300円。