古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

みやこめっせ

zenkoh2008-05-01

 勧業館に入ったのは10時5分前ぐらいだったが、もうすでに、大勢並んでいる。ハナ書房さんの姿も。並ぶのは苦手だ。「扉、開けろー」と叫びそうになる。この5分は入ってからの1時間ぐらいに感じる。そんなことを考えても時間はほんとゆっくり。
 そんなに急いで入らいでもええ、と思うものの、やはり走っている私。前にある人から、
 「スキップしてたな」と言われたこともあったっけ。
 私、並ぶのも苦手なら、勧業館も苦手なのだ。一冊も買えず呆然とうなだれたこともあった。
 今日、買った本は、
 坪内稔典『おまけの名作』、カバヤ文庫物語、500円。これは電車のなかで、一気に読んだ。坪内稔典さんの、カバヤ文庫への思い入れが伝わってくる、いい読物になっている。
 カバの俳句も入って楽しい。
 春を寝る破れかぶれのように河馬
 恋情が河馬になるころ桜散る
 桜散るあなたも河馬になりなさい
 水中の河馬が燃えます牡丹雪
 カバヤ文庫には、序文があって、いろんな人が書いている。
 本人が全文書いたのかどうかわからない点もあるが、それぞれ、全集などにも入っていないと思われ貴重だ。そのリストもちゃんと付いている。
 板倉鞆音カバヤ文庫2作品に序文を書いているのは、津田京一郎さんの文章で知っていた。
 あと、山崎書店、500円コーナーから、図録一冊。
 『吉原治良と「具体」』
 うーん、もっと買いたかった。12時ごろ、林さんを探すが見つからず、ひとり寂しく会場をでた。
 深夜、家に帰ると、ある人から、「短歌往来」のコピーが届いていた。
 武藤康史「安藤美保の日記」、これは、滅茶苦茶うれしい。