古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

天神さん→一色文庫→ちょうちょぼっこ

zenkoh2008-02-11

 昨日10日のことから。やはりきつい一日となった。天神さんの古本まつり。10時開店に間に合わず20分ぐらい遅刻する。あとで聞くと10時前から買えたとのこと。
 遅れたからか、最初2、3冊しか買えず、それも別にここで買わなくてもいいという代物。どうしていいかわからなくなったが、身体が暖まってきて、調子が出てきた。気がつけば両手にずっしり買っていた。100円均一だけでなく300円均一の店も多く、安くていい古本まつりであった。今日も行きたかったが。
 買った本を並べるのだけど、全部書くこともないか。
 《100円均一大サービス台》
 由良哲次『横光利一の文藝思想』、石塚友二発行の沙羅書店、昭和12年。この本見せて自慢しようとしたら、何人かの人に「おー、由良君美のお父さん」と。説明させてはもらえなかった。
 徳永直『作家と生活』、上林暁の『悲歌』を出した、桃蹊書房、昭和16年、柳瀬正夢装幀、函が壊れかけているが他の状態はいい。うれしい。
 Mリルケ『旗手クリストフ・リルケの愛と死の歌』、塩谷太郎訳、四季叢書、昭和29年、四季社の本も魅力ある、小型本。
 ツルゲーネフ散文詩』、中山省三郎訳、八雲書店、昭和22年再版、帰って奥付を見ると特製版と書いてあった、うれしい。初版が上製で再版が特製。
 藤沢桓夫『随筆人生座談』、昭和56年、講談社、カバーなし、こういうのはすぐ読みたくなる。
 橋本靖雄『時の栞に』、1992年、私家版、500部発行、著者はもと筑摩書房の編集者、ネットで調べると安く出ていてびっくり。これは珍しいと思ったのに。でもこれが無くなれば、探しにくくなるのでは。編集者の回想記がお好きな方はどうぞ。
 萩原葉子『女と冒険』、読売新聞社萩原朔美カット。
 大岡昇平『現代小説作法』、昭和37年初版、文藝春秋新社。
 寺島靖国『jazzオーディオ快楽地獄ガイド』。などなど。
 ヘミングウェイ全集の『移動祝祭日』は、宏美さんにプレゼントした。
 均一以外では。
 ジョン・バース『金曜日の本』は、300円。
 安水稔和詩集『能登』、献呈署名入り、蜘蛛出版社、300円。
 三冊500円の台もよかった。
 本庄桂輔『「學鐙」編集の思い出』、『アルプ』辻まこと特集、『ポー詩集』、小沢書店、福永武彦訳の「アナベル・リイ」
  結構な荷物になって、送っておけばよかった、とあとで思うが、このときは持っていたかった。近くの喫茶店に入って食事。
 北村くん、古本兄妹、Mさん、中嶋くん、と。中嶋くん、明日から名古屋、東京に遊びに行くという。
 古本を見せ合いいろいろ話す。
 もう一度天神さんに戻り、100円均一をまわる。地下鉄で、日本橋、「一色文庫」へ。
 ホテル街を抜けて店に着いたが、もう一度ひとりで行けるかどうかわからない。
 「一色文庫」のことは、よく聞いていたので、一度行きたかったのだ。いい古本屋さんだった。
 中村誠一『サックス吹き男爵の冒険』、100円。
 『ネルヴァル全集』1巻、函なし、100円。
 もっと買いたかったけど、荷物が多くこれだけになった。残念。
 「ちょうちょぼっこ」まで歩いていくことに。荷物が重く疲れた。「ちょうちょぼっこ」は今日もたくさんのお客さん。まだまだ売れていた。
 スターバックスで珈琲飲んで、おでん屋さんでビール飲んで、いろいろ話した。
 北村くんは原稿書くの遅いみたい。ビール2杯目ぐらいで、またまた中嶋くんの失言が。
 11日の今日も古本屋さんへ。
 まず、マルギン前の100円均一。
 鈴木漠『詩集色彩論』、書肆季節社、1993年、署名落款。など計4冊。
 ぶんこ堂
 別冊新評『澁澤龍彦の世界』、300円。
 寺山修司『書を捨てよ、町へ出よう』、カバーなし、400円など。

 明日はまた天神さん。アホアホ本も探そう。