古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

大阪古書会館へ

 雨模様だけど、古書会館に向かう。店内なので雨が降っても大丈夫なのだけれど、持って帰りにくいのが困る。完全装備(古本入れる密封ビニール袋)で出かける。
 谷町4丁目で降りたのだが、出るところ間違い、20分ぐらい遅刻する。今日は気持ちが沈んでいたこともあり、古本見る目に力がこもらなかった。いろんなことが影響するもんだ。手に取って見ているようで何も見ていない状態。
 それでも、『洋酒天国』のアンソロジー、1と2、小寺勇句集『一微塵』(昭和49年、文童社、文庫サイズ)を安く買わせてもらった。他にも欲しい本あったけど、どうも調子が出ない。
 中尾務さんとばったり会い、少し立ち話をする。影書房のことなど。戦後文学エッセイ選(全13巻)もあと残り3冊、杉浦明平集、野間宏集、井上光晴集。この13巻から広がる世界のことを考えると、若い人たちに読んでほしいシリーズだと思う。
 中尾さんと別れ、目を本棚に戻すが、まだ、ぼおっとしている。こんなときは、さっさとあきらめよう。東梅田まで出て、萬字屋さんに寄り、駅前第三ビルの、「はがくれ」で、釜揚げうどんを食べた。はじめずらっと並んでいたので、さきに古本屋さんを見ることに。今度は並ばずに入れた。この店のうどん、上手いのだが、店長?が、教えたがり屋さんなのがちょっと困る。
 「食べ方教えましょうか」という声が繰り返される。ぼくも言われ、断れない雰囲気だった。うどんぐらい好きなように食べたいものだが、聞いてみると、なるほどそうか、という食べ方でもあった。そうか、こうすれば、つるつるの麺もうまく食べれるのか。
 ジャズ喫茶「ホワッツニュー」に入り、徳田秋声『黴』を読む。