古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

村松梢風『綾衣絵巻』には、小村雪岱の挿画

zenkoh2007-07-03

 コルトレーンの「ジャイアントステップス」を聴きながら、ひたすら古本の値付けをする。
 「往来座」に電話をかける。瀬戸さんにいろいろ尋ね、作戦を練る。いい本を安く出せばいいことはわかっているが、不安になってくる。小林信彦の『東京のドン・キホーテ』も2冊持っているので出そうと思うがこれも値付けがむずかしい。150冊ぐらいの準備ができたので、古本屋をまわるため家を出た。
 今日は水明洞コース。京都には「びわこのなまず」という古本好き先生(大学の先生)がいて、水明洞を中心に安い本をせっせと買っておられる。そのおこぼれをいただこうと、だいぶ遠回りになるが自転車を走らせた。あまり店頭に出てなかったが、森田たまが残っていた、『はるなつあきふゆ』『花菖蒲』『ふるさとの味』『随筆歳時記』。大正時代の中学入試問題集も買った。店内で支払いをすまし、店を出ようとしたとき、崩れそうになった本を取り上げてみると、村松梢風の『綾衣絵巻』だった。昭和4年平凡社小村雪岱の挿画が入っている。赤線が引いてあり値段は付いていない。思い切って店主に聞いてみると、本を何度もみて、
「これは高いよ」とポツリ。やっぱりな、という感じでしばらく待っていると、「800円」という声。
いつも100円本しか買わないので、こいつは1000円はよう出さんやろ、と思ったのだろうか。
もちろん買った。赤線は気になるが、これが無かったらぼくには買えなかったのだと思うとその赤線もかわいくなってきた。(ビール飲んでます)
 ではいくらまでなら出したかと聞かれたら(だれも聞いてくれないだろうが)、1500円と答えておこう。800円というと新刊の文庫でもそのくらいするのもあるのだから、安いと思わないといけない。
小村雪岱の挿画を電車の中で味わった。
 そうだそうだ、Lマガの締め切りは5日だった。