古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

彰考書院版サド選集が50円

 水明洞、中井書房、尚学堂とまわり、京阪書房の店内箱の前。私はこの箱の中が好きだ。マルキ・ド・サド選集3ゾロエ、(彰考書院版澁澤龍彦訳)が何と50円。江戸川乱歩編の『推理教室』もカバーなしだが、50円。文庫の方が高かった。正宗白鳥『今年の秋』中公文庫、100円。肉親の死を扱った三部作「今年の春」「今年の初夏」「今年の秋」は白鳥晩年の傑作だ。ときどき読み返したくなる作品だ。教養文庫の『吉井勇のうた』は、臼井喜之介編で、これも100円。
 いつもは裏道をこっそり走るのだが、今日は河原町通りを自転車でぶっちぎる。ちょっと危なかったが、三密堂の前にたどり着いた。君本昌久編集の雑誌『クワルテット』が100円棚に2册あった。33号と34号。もちろん買う。33号の同人は、生田ゆき、上村哲彦、君本昌久、中川時雄、中島完、畑健彦、松浦直己、山南律子。美術雑誌の『三彩』の増刊、川上澄生特集号も100円で購入する。
 今度は鴨川に沿って三条まで。ブックオフ三条店に入り、一冊。西脇順三郎詩集『Ambarvalia』、椎の木社版、もちろん復刻で1000円。