古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

口笛文庫に入る

京都駅から、新快速で、元町に。大阪から座れたが、すぐ隣のおばあちゃんに話しかけられる。
「失礼ですけど、写真とる人ですか」
「いえいえ」
「どちらまで」
「元町です」
「お仕事で?」
「まあそうなんですが、ちょっと書店に行くんです」
 こんな感じで話が始まり、
「わたしは、歌をやってるんですよ」
「短歌ですか」
「いえ、カラオケで演歌を歌って、もう素人とは言えないぐらい」
そこへ、きれいな衣装を着て化粧もしている子供たちが乗ってきたのだが、それをみて、
「かわいいわねえ、ちょっと写真とってきます」と向こうに行ったので、ほっとしたのだが、また戻ってきて、
「外国の女の子はほんと、かわいいわねえ」
というではないか。どうみても日本人の女の子。言葉も「めっちゃ、あついなあ」とか言っているのが聞こえる。
でもまあ、打ち消すこともないと思ったところで三宮に着いた。おばあちゃんは嫌いではないが、ちょっと困った。
 海文堂に、10時20分ぐらいに着き、裏から店内に入れてもらう。福岡店長といろいろ話をし、店内の本を見て回る。ここで選んだ本は、「神戸の古本力」。やはりこの本を紹介したいと思った。
 このあと、口笛文庫に向かった。ずっと行きたかった店なので、わくわくし、テンションもあがる。いい店だった。ジャズのCDもあり古い本も新しい本も混ざり合って、見るのが楽しい。今回は取材なので自分の好きな本というより、口笛文庫らしい本、といった感じで2冊ほど選ぶ。口笛のご夫婦、とてもいい感じで、こんな店が近くにあればいいだろうなあ、と思った。応援したくなる店だ。北村知之くんが店番をした日があったそうだが、ぼくも一日店長してみたい。
 ひつじ書房にもはじめて入った。絵本の書店だが、こちらの棚からは長い歴史を感じた。アーディゾーニの本を選んだ。
 京都に戻り、三密堂に入った。