古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

『昔日の客』届く

 『昔日の客』は、ときどき読みたくなり、読みたくなったら扉野くんに借りていた。正宗白鳥の本をまとめて入手し、それをふろしきに包んで白鳥に見せに行く話も面白かったし、上林暁宅を訪ねる話や保昌さんが「山王書房」に本を買いに行く話もよかったなあ。
 どの店でもこの本の値段は高く、300ぐらいの部数では、と思っていたが、関口直人さんの「あとがき」を読むと、山高登さんが1000枚版画を刷ったと書いてあった。函といい版画といい、紙といい、気持ちのこもった本に仕上がっている。
 、関口良雄さんの文章を読んでいると、「山王書房」に入って、古本をながめているような、そんな気持ちになる。
 届いた『昔日の客』を持って家を出た。いつもより遅くなったのは、LマガジンのIさんから、ファックスでゲラが届いたのだが、途中でインク無くなり、電話で原稿の確認をしてもらったから。自分の文章を音読するのは、照れくさいものだがなかなかいいものだと思った。
 B堂で、山田清三郎『プロレタリア文学史』上を100円で購入する。紫陽書院、福田屋、吉岡、あーす、とまわるが、何も買えなかった。
 ブックオフ三条店で、戸田奈津子『字幕の中に人生』、寺島靖国『新しいJAZZを聴け!』を買った。