古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

小沢書店の本

 今日も寒すぎて身体の動きがにぶい。こんな日は古本屋さんに行くしかない。ふるえながらも、ぶんこ堂の店頭に座る。富本憲吉の『随筆集 陶器』(昭和23年、朝日新聞社、著者自装、カバーなし)、200円。神品芳夫(コシナ・ヨシオ)の『ドイツ冬の旅』も200円だった。小沢コレクション23とある。長谷川郁夫さんの『藝文往来』の書評のことがあるので、小沢書店の本に目がいき、買うことになる。本についての文章を書くというのは、本を買うことにつながるのだ。直接関係なくても文章に取り込めなくても、少しの引っ掛かりがあれば買ってしまう。だから書くことは買うことでもある。
 福田屋書店の店頭100円均一棚の前でも座る。この前来たとき、店内に上林暁全集が積み上げてあった。全冊揃っていないみたい。それがうれしい。私の上林全集はあと二冊で揃う。14巻と15巻が欠けているのだ。それがあったので、バラで分けてもらえるのか聞いてみたら、息子と相談してから、という返事だった。こちらもあと一冊で揃うのらしい。一冊どこかで見つけて揃いとして売りたいということだろう。
 次ぎはブックオフ三条店。鴻巣友季子『翻訳のココロ』(ポプラ社)を105円で購入した。
 仕事帰りのコミックショックで、山崎正和徒然草方丈記』(学研M文庫)105円。これは現代語訳シリーズ。伊藤俊治『20世紀写真史』(ちくま学芸文庫)105円。
 今読んでいるのは、正津勉の『脱力の人』で、天野忠のところを読み返している。