古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

ザボンの花

 毎月第一金曜日はかっぱ横丁に行くことになっている。阪急電車を降りてコンビニに寄る。ポケットティシュを買いに入ったのだが、200円もするのでやめておく。これから100円の本を探しにいくのに200円は高過ぎる。本を買ってからにしよう。
 なぜか又、庄野潤三があった。それもカバーなしだ。こうなったらカバー無し本を集めようか。『ザボンの花』(昭和31年近代生活社)300円。この本も探していたんだ。もちろん、勝呂忠のカバーがあってもよかった。家に帰り『プールサイド小景』と並べて背を眺めていると何とも幸せな気持ちになった。
 かっぱ横丁を、うろついていると、BOOKONNの中嶋くんの姿が。仕事の昼休みだと言う。中嶋くん、4月1日の岡崎ガケ書房イベントに来てくれるという。ありがたいことだ。
 今日買った他の本は、井上究一郎『幾夜寝覚』210円。プルーストをからめたイタリア旅行記である。井上さん、旅行会社のツアーに申し込んで、団体旅行している。大江健三郎『日本現代のユマニスト渡辺一夫を読む』も210円。沢田隆治『上方芸能笑いの放送史』210円。これはNHK人間大学の一冊で、図版も注も多く読みやすい。春団治が口に封印されている(差し押さえ)写真が面白い。私は、確か、荒俣宏の『博物学の世紀』や伊藤俊治『写真表現の150年』などを持っているはずだが、もっとこのシリーズを集めたい。他に、安藤鶴夫『寄席紳士録』(角川文庫)100円もうれしかった。
 ジャズ喫茶「ワッツニュー?」に入り、しばし休憩。レッド・ガーランドが気持ちよさそうにピアノを弾いているレコードがかかった。