古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

中尾務のVIKING

zenkoh2008-05-28

 岡崎から電話あり、もう古本をジュンク堂に送ったという。忙しいはずなのに仕事が早い。
 ぼくはギリギリになりそうだ。6月1日には、新刊本VS古本、岡崎武志堂VS善行堂、5階だったか、イベントコーナーにずらっと並びます。
 今日はどこをまわろうかな、と思い思い自転車をこぐ。
 気がつけば水明洞の中。
 山岸外史『人間芭蕉記』、昭和17年、朱雀書林、100円。
 一冊ではもの足らないので、2号店へ。
 中山省三郎『随筆 海珠鈔』、昭和15年、改造社、500円。
 これは前から欲しかった本。もちろん、函なし。
 電車のなかで、「VIKING」688号と689号を読む。
 中尾務さんの、「VIKING」1、2、を読んだ。1は前に読んでいたのだが、連載なので、
 もういちど読み直した。これが面白い。富士正晴が1946年5月に中国から復員する。
 「VIKING」創刊まで、1年4ヶ月。雑誌創刊までを書簡や日記を引用しながら、物語る。
 富士正晴は、島尾敏雄の小説、私家版『幼年記』を読んで感動して、「VIKING」創刊を思いついた、
 と自分でも語っていたが、それはそのままでは受け入れがたい、というのが中尾さんの考えだ。
 ぼくはそのように読んだ。広瀬正年などという、うれしい名前もでてくる。
 京橋の新星堂で、500円券をつかって、アーニー・ヘンリー「セブンスタンダーズ・アンド・ア・ブルース」
 を買う。でも、聴いてみると、ぼくの今の気持ちには合わなかった。
 深夜、ジャズの原稿を書く。これがとても楽しいのだ。やっぱり本当に好きなことについて書くのがいいな。
 ジャズのことを書いて、と原稿依頼してくれた、イラストライターの西川さんに感謝したい。