古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

 善行堂の棚のことを毎日考えている。まず自分が客だとして楽しめるだろうか、と考える。そして具体的に誰それだったらどうだろう、と考えていくのだ。みんな好みがちがうのでむずかしい。例えば、日用帳さんが来て何も買えないような棚では困る。そういう意味でもまだまだ納得のできる棚にはなっていない。だんだんよくなっているというようにしないといけない。
 昨日、届いた本、買った本を善行堂に持って行きますので、見に来てほしいですねえ。
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 Mさんに譲ってもらった、永田耕衣『田荷軒皮袋』を読む。
 副題に「わがこころの自叙伝」とある。
 湯川書房の刊行で、琴座俳句会発行、非売品である。
 自分を見つめる文章であるが、間にものを置き、それを通しての自分が見え隠れした名作『わが物心帖』には、作品として及ばないと思った。
 でも珍しい本であり、湯川さんの手が入った本であり、読むことができてよかったと思う。
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