古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

 はやく善行堂に行って昨日奈良で買ってきた本をチェックしよう。
 上林暁の『御目の雫』などは、文庫本を買うように買えたが、何冊あってもいい本なので、うれしかった。
 はじめて見る本も何冊か買えました。すぐ売れない本もありますが、読めば売りますので。いい本や珍しい本があります。
 ただ昨日、夜、店に運びこみ、ちくま文庫の値段シールを剥がすのを失敗したことだけが悔やまれる。
 ブックオフさん、シールの粘着力が強すぎますって。剥がして付け替えたりしませんって。
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 「アピエ」16号、江戸川乱歩特集が届きました。
 やはり「押絵と旅する男」が人気のようですね。
 私も書かせていただきました。若い頃の乱歩との出会いを書きました。だからちょっと恥ずかしいですが。
 「アピエ」次号から連載が決まりました。
 「善行堂通信」みたいなものにしようか、「古本千夜一夜」みたいなものにしようか考えています。
 自由にどうぞ、ということなので、もう少し考えてみます。書く仕事が入るとうれしいものです。
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 昨日奈良で買った本に、石塚友二の随筆集『日遣番匠』がある。
 沙羅書房をおこした石塚氏は、横光利一の弟子でもあって、句集、随筆集、小説集なども残している。
 エッセイを軽く見ている節もあるが、例えば、宮地嘉六に触れている文章もあり、貴重な文章も多い。
 フジケイ堂のレジの横に積んであった中から引っこ抜いて買った一冊。
 沙羅書房で出した、川端の『純粋の声』が、悪い出来であったと回想しているが、そんなだったかなあ、思い出せない。
 「神西清氏の死」「久生十蘭氏の死」などもあります。
 車谷弘の『銀座の柳』は、中公文庫で読めるが、この風間完装幀の文藝春秋社版は、好きな本のなかの一冊だ。