古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

 今日は、吉田健一の『交遊録』を読みながら、お客さんがくるのを待ってます。
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 詩人の広岡曜子さんが、詩集『中庭の風』、詩誌『続左岸』の31、32、を持って来てくださいました。
 あまり話ができなかったのが残念ですが、確かに善行堂に、広岡曜子詩集が届きました。
 また、金子彰子詩集『二月十四日』や吉田佐和子作品集などを買っていただきました。
 『中庭の風』は307部の限定本です。戸田勝久さんが、装画と口絵を、印刷、製本を水仁舎の北見俊一さんが行ったということです。
 すばらしい出来映えだと思いました。もう予約が入っていますが、すぐに無くなるのではないでしょうか。
 詩に興味があるかたは、実物を善行堂で見て下さい。見ると絶対ほしくなりますよ。
 広岡さんの詩、いいなあ。
 
 隠れ里

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  うう。肩も凝っているからとお湯を何杯もかけてほぐ
 していると、いつのまにか肩が自分の肩でなくなってい
 る。石のようだ。堅い骨のようだ。動物の筋肉のように
 堅い。
  きょうは何人の人の痰を吸い取ってあげたかしら、あ
 のチューブもっと細くすればいいのに。自分の喉を触っ
 てみたら、やわらかい。
  風呂場の窓から一匹の狐が飛んだ。晩秋の夜空がこわ
 いくらい美しい夜のことだ。
  誰も知るはずもない、京都の郊外の山里には、きれい
 な狐がいまも生息していて、ちいさな赤い下着をきちん
 とたたんでからしか眠らない。
 
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 とてもいい気持ちです。
 風呂には、武藤康史の『安藤美保の日記』のコピーを持って入り読みました。
 これもいいです。浦成さま、このとおり、見つかりましたので。(コピーもしました)また善行堂にお立ち寄りください。
 この文章、本にならないのは、何か問題があるのかな。
 何も障害がないのなら、どこかの編集者、がんばって出してほしいなあ。
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 「アピエ」ももうすぐだろうし、「サンポマガジン」ものうすぐ。