古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

天神さん四天王寺さん最終日にも顔を出す

zenkoh2007-10-09

 昨日の「まほろば古本市」で、少し本が減ってしまったので、買い出しに出かけることにした。
 それにしても、昨日会った、佐々木くんの双子ちゃん、かわいかった。ぼくの姪が双子ちゃんなので、思い出したりした。握手して、古本パワーを送ったのだが、いいことなのかどうか。
 ブックオフに寄るつもりはなかったけど、四天王寺にそんなに早く行かんでもええかと思い、三条で途中下車。
 一冊だけ購入する。井原高忠『元祖テレビ屋大奮戦』、105円。この本、去年の下鴨納涼古本まつりで買えたのだったが、そのあとのガケイベントのとき、オークションに出してしまったのだ。
 一年ぶりにやっと出会えた。でも、これで今日はもういいか、とは思わなかった。
 電車のなかで、佐藤泰志の『海炭市叙景』を読む。やはり、文章がとてもいい。なぜ、取れなかったのだろう、芥川賞佐藤泰志はここ2、3年気を付けて探しているのだが、どこの古本屋さんにも無いなあ。ブックオフでも、「あ」「か」「さ」「な」「ま」、などは念入りに見る。
 四天王寺さんは、最終日、500円袋詰め放題がある。恒例なので参加しないとね。100均前に着き、まずは買う本あるかどうか、見て回る。袋を買う前に500円の値打ちがあるかどうかをチェックするのだ。そのとき、本を持って廻ってもいい。なかなか、これぞというのが無くて、今回はやめようかと何度も思う。
 まず、ゴリキイ『文學論』ナウカ社版(昭和10年)を手に持つ。状態もいいし、よく残っていたな、という一冊だ。耕治人『一條の光』、皆美社、これも持つ。これは函入りのとカバーのものがある。今日あったのは函入り。現代詩文庫の『富永太郎詩集』も一応持つ。『正宗白鳥集』は、雑誌『中央公論』『早稲田文學』をばらして集めたもの。上手く作ってある。大正期のものか。丸山義二の『埋火』三島書房、もちろん持った。丸山義二は、水上勉がどこかで書いていたっけ。ギャスケ『画聖セザンヌ』(昭和17年、東京堂)もあった。
 この辺で、500円袋を買う。他には、堀田善衛『夜の森』(ミリオンブックス)、『めぐりあいし人びと』、永六輔テレビファソラシド』など、計20冊ぐらい買う。
 他店で、深沢七郎『人間滅亡の唄』と、川端康成『感情装飾』(復刻)を買う。
 天神さんにも行かないと。
 100均、追加あった模様。持っているだろう、三島文庫を3冊購入した。それと、植竹書院の文明叢書、徳田秋声『四十女』(大正3年)。これは初日からあったように思う。状態が悪いので、手放したのだと思うが、補修できそうだった。カバーはずれかけていたのを、補修すると見違えるほどよくなった。これは不器用な天使、いやいや間違った、不器用なぼくには珍しいこと。補修しては、何もしなければよかったといつも思うぐらい「へた」。
 文明叢書、実にいい味出している。この叢書、文庫より一センチぐらい高く一センチぐらい細い。
 今日もいい本が買えた。