古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

予定変更

 本当なら、昨日、「ななじゅうまる」の原稿を書き上げ、高知県に向かう予定だったが、原稿仕上がらず、今年は京都にひとり寂しく残ることにした。といっても下鴨があるので退屈しないけどね。
原稿は、新刊書店、古書店の紹介と、それぞれの店で選んだ本の紹介なのだが、これが書いてみると面白いのだ。取材した日のことを思い出したりして楽しくかけた。大迫くんやカメラマンの奥村くんと汗かきながら回った日のことを思い出した。奥村くんは、「ひつじ書房」で奥さんに絵本を買っていた。
 原稿を昼ごろ書き上げ、さてと、やっぱり、あそこに行かないとね。こんなに近くに住んでるのだから。自転車で出発すると、スーパー「マルギン」前で100円均一棚が。今日は降りずにそのまま下鴨に向かおうと思ったが、いつも世話になっている、マルギンさんを素通りはできなかった。
 『今江祥智〔童話〕術・物語ができるまで』、福岡哲司深沢七郎ラプソディ』、山本昌代『三世桂三木助』、井伏鱒二『さざなみ軍記』、常磐新平『ブックス マガジンズ』、赤瀬川原平『外骨という人がいた!』。
 昨日、岡崎と食べた、お好み焼きや「フジ」で今日もお好み焼き。ミネラルウォーターを買い、下鴨に急ぐ。
 100円均一で、あまり、昨日と変わりないなあ、と見ていると、元気な若い賢そうな若者が、追加し始めた。(エライ!)ぼくが走っていき、横にぴったり付いたので、驚いていた。
 最初にぱっと引っこ抜いたのは、作品社の、本多顯彰『シェイクスピア襍記』だった。カバーも帯も付いて状態もいい。「ぐろりあ・そさえて」の前川佐美雄歌集『くれない』もあった。これはすごいものが出てきそう、とドキドキしたが、これだけだった。もちろん文句を言っているのではありません。それどころか、ありがたくありがたく。
 調子に乗って、『春の蝶』という作者名のない小説も買う。長野、高遠出身の作家、島村利正の『秩父愁色』も買う。田中小美昌『乙女島のおとめ』(集英社文庫)も買っておく。
 一冊200円の台で、きだみのる『鼻かけ男の話』と、木本至『「団団珍聞」「き尾団子」がゆく』。
  帰り、ガケ書房に寄ってみると、思わぬことが。古本の売り上げをチェックしてみると、ナンダローくんのが、たくさん売れている。思わず、「エエーッ」と声がでてしまう。
「どうかしたんですか」と聞かれたが言葉にならなかった。
 ぼくはどうも、古本のことが絡むと、真剣になりすぎる。スムース友の会での、岡崎との勝負のときも、そうだった。最初2連敗したときのぼくの気持ちをどう表現したらいいかわからない。