古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

今日もブルーノート

 勧業館へは行かず、S洞の店頭に座りこむことにする。美術雑誌の「三彩」がたくさん出ていたので、一冊一冊チェックして、加藤一雄が書いている号だけを横にのけていく。たいていは、『京都画壇周辺』に収められているのだが、「一葉女史の墓」のように、「三彩」には、鏑木清方の「一葉女史の墓」の絵が付いていて、その絵を見ながら加藤一雄の文章を読むのが、これがまた格別なのだ。
でも加藤一雄が書いている号ならすべて買うというのは、100円だからできることで、こういうのもまた100円均一の魅力なのだ。10冊ぐらい買った。
 そういえば、用美社の加藤一雄はどうなっているのだろう。遅れに遅れているではないか。ぽしゃってなければいいが。
 それと、「みづえ」3冊。一冊は、佐野繁次郎の文章「パリの日本人作家・平賀亀祐」が載っていたから。
 香川登枝緒『私説おおさか芸能史』も買っておく。もうすぐ200冊ぐらい東京へ古本を送らないといけない(大イベント)ので、今からせっせと買いためているのだ。
 Lマガの「天声善語」の締めきりが明日だ。今日もジャズ喫茶「ブルーノート」に入り、何を書こうかと思案する。クリフォード・ブラウンや、マイルスやウエスモンゴメリーなどがかかったが、「もっと大きな音で聴きたい」とそのことばかり思っていた。ガンガン鳴らしてほしいと強く思った。
 「天声善語」には、小津安二郎山田稔のことを書くことになると思う。それとも、「らくたび文庫」のことにしようか。いつもギリギリまで考えてしまう。