古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

平野謙の文壇時評

 朝、「京に住まえば…」のOくんより電話あり。京都の古本屋さんとその近くにある喫茶店の紹介になりそうだ。28日の日曜日に古本屋喫茶店をまわることになった。夏の京都だというので、半袖の写真になるという。28日、半袖で京都の古本屋めぐりをしている男を見つけたら、それは私です。
 明日から四天王寺の古本まつりが始まるので今日は大人しくしようと思い古本屋は二軒だけにしておく。「あーす書房」の店頭は今日も追加があった。平野謙の「文藝時評」の函なしの上があったので、持っているがちょっと読みたくなったので、取り上げてみると、なんとそれは「文壇時評」だった。全く同じ装幀なので分からなかった。100円はうれしい。文壇時評だけでなく、同人雑誌評、
新聞小説時評、推理小説時評、文壇クローズアップなどもあって、とても面白そう。平野謙の名前もあまり聞かなくなったなあ。車中で読み出したがさすがに面白い。ある年の芥川賞受賞の作品について、平野は、個人の好みでいえば、長谷川四郎の『シべリヤ物語』や前田純敬の『練尾布由子』のほうがより心に残ったというようなことも書いている。そうか平野謙も前田純敬を認めていたのか。
 「あーす」では、他に『20世紀文学紀行』という写真集のようなもの、『ノーサイド』キネマの美女特集、芝山幹郎『映画は待ってくれる』、全部で400円、28日に「あーす」さんも取材させてもらう。
 ブックオフ三条店で文庫を二冊。槌田満文『ことばのの風物誌』、種村季弘『詐欺師の楽園』各105円。
 本屋で週刊誌を立ち読みさせてもらう。鶴見太郎くんが岡崎武志『読書の腕前』の書評を書いてくれていた。実はひそかに期待していた。(週刊朝日
 家に帰ると、長田弘『本を愛しなさい』の書評依頼のファックスが届いていた。書評は大好きなので、書くのが楽しみだ。