古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

鴨居羊子がモデル

 腕立て伏せのやりすぎで、腕が少しいたいけど、天牛へ行く。
 店頭の100円台で、出久根達郎『むほん物語』。帯に「本の探偵物語」とある。古本関係は100円なら買っておく。今日はこれ一冊かと思い店内に入りかけたが、金色の題名に目が止まった。田能千世子『金髪のライオン』。編集工房ノアのこの本、鴨居羊子をモデルにした小説が入っているのだ。サイン落款入り。帯には、「私は金髪も好きだし、ライオンも好き。好きな同志の中身の本は、もっと興味がある。」という鴨居羊子の言葉がある。カバーにも鴨居羊子の絵が使われている。
 そしてちらっと店内を見ると、平さんがいた。まだ分からないのに、今日はどちらの平さんだろうと思ってしまう。まあ、あとで聞こうと思い、二冊大事そうに持って、300円の棚を見た。やっぱり聞くなら五冊ぐらい持っていたいものだ。
「平さんは双子なんですか」などと立ち入ったことを聞くのに、二冊200円ではいけない、そう思い店内をぐるぐるまわる。でもどうしても買えないので、レジに向かったところ、平さんがいないではないか。ショック。
 時間が少しあるので、北新地までジャズを聞きにいくことにした。古本屋もあるし。駅前第三ビルで、渡辺一夫の『乱世の日記』を525円で買う。
 「ホワッツニュ−」に入りホット珈琲。コルトレーン、ジョ−パス、クリフォード・ブラウンなどがガンガン鳴ってゴキゲンだった。