古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

京都は雪でした。
ジャズのボリュームを上げ、マラマッドの『アシスタント』を読んでいました。本を置くと、外は白い雪でした。
新井啓子さんから、詩集『遡上』(思潮社)が届きました。
善行堂に置かせていただきます。
『アシスタント』を読了して、その『遡上』を読む。
こんな詩がありました。
   
  クルージング


鳥の名前の舟ででかける まず履き物を脱いで それから船縁をま
たぐ 海中から 体の中を見透かされそうになるので せかされて
乗る 左遠くに観覧車 右には倉庫 出港の合図で いつもは見下
ろす川面が 身近に迫ってくる

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

傷つければ溶液の漏れる 人の中にも地図がある その平面が起こ
されるとき 思わぬ根っこが現れるのか 貴石が結実しているか
思惟は影に埋もれてしまうのか 空疎であるか 知りたい
(大丈夫 もっと 楽にしましょう)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

岩佐東一郎の『風船蟲』も読みました。
青潮社のこの限定本は、よく出来てるなあ。装幀、造本の内藤政勝は、丹頂書房の装幀などもしていて、それもまたよかった。このことは前に書いたことがあるか。あってもいい、何回でも同じことを言うし、同じこと書くぞー。
今、「ネット善行」http://zenkohdo.shop-pro.jp/に少し追加しました。