「京都ちゃちゃちゃ」から電話あり、一年前に出た放送の一部分を再放送していいか、というものだった。12月10日と言ったかな。
Lマガの原稿を書き上げたあと、知恩寺で買った本を引き寄せて、あれこれ見る。自分でいうのも何だが、いい本が買えた。
結城信一の『作家のいろいろ』を読むことにする。結城信一は、室生犀星全集の書誌を担当するなど、小説以外の仕事もあって、この随筆集もなかなか面白そうだ。荷風から書き出しているが、読むと、荷風を読み返したくなった。岡鹿之助や駒井哲郎といった画家についてのエッセイもあり、自分で本当にぶつかった作家のことしか書いていないのではないか。押し付けられたものなどないのでは。結城信一もあまり古本屋にでない作家のひとりだ。行き帰りの電車で、三分の二ほど読んだ。
銅版画家、駒井哲郎で思いだしたが、中村稔に『束の間の幻影』という駒井評伝があるのだが、これが今ならネットで1000円ぐらいで手に入るのだ。これはどう考えても安い。
それで、今日は、古本を、あなたは買わなかったのか、と問われれば、えへへ、買いました、と答えるしかない。
横山やすし『瀬戸ぎわのやすさん』、105円。結城信一と横山やすしを重ねてカバンに入れたとき、そのギャップにドキッとした。