古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

知恩寺青空古本まつり

zenkoh2007-10-31

 10時ごろ臨川に着くと、もうたくさんの人が取り巻いていた。私は家のことで本当はこんなことしている場合ではない、という気持ちがあるので、集中できずにぼんやりとしていた。
 でもテントをめくる(私が店員のようにめくった)と、やっぱりね、目の前に本があるわけやからね。しばらく押し合っていたが、欲しい本がなかった。それでも回りを見ると結構抱えている人がいた。これは、ぐずぐずしていてはいけないと思い、100均に走った。そこで10冊ぐらい買い、あとはゆっくり見てまわる。S文庫さんに声をかけられた。この前、買っていただいた写真集が売れたとのことで、「もう少し払えます」といって、その場でお金を頂く。これはうれしかった。困っているときなので助かった。古本に換算すると50冊ぐらい買える金額。大分気持ちが大きくなってこのあと買いやすくなった。いろんな人と話しながら境内をまわる。
 合計25冊ぐらい買ったかな。何といっても一杯買えることがうれしい。こんな本を買ってしまいました。
 黒田忠次郎『嵐の来る時』(大正15年、文正堂出版部、遠藤古原草装画)、天牛第二書房のラベルが珍しい。100円。写真の一冊。この本は俳句随筆とでもいうべきもので、語り口が面白そうだと思った。それと装幀が何とも奇抜。天牛第二書房のラベルも気に入った。調べてみると、あきつさんが3冊も持っていた。高い本です。
 『清方随筆選集』1、2(昭和17年、双雅房)、岩本和三郎発行。各200円。
 中谷宇吉郎『極北の氷の下の町』(昭和41年、暮しの手帖)、100円。
 村岡花子『雨の中の微笑』(昭和22年、新美社)100円。
 阿川弘之『雲の墓標』(昭和31年、新潮社、帯、初版)、100円。
 角川源義『幻の赦免船』(昭和51年、読売新聞社)、100円。
 『學鐙』(丸善創業100年記念号)、安藤鶴夫『わたしの東京』、野坂昭如『真夜中のマリア』、以上3冊500円。『學鐙』には、丸善100周年記念カバーが巻いてあってとてもきれい。これは、すごく楽しい特別な一冊になっている。ネットで調べたら1冊見つけた。1000円。これは絶対安いと思う。
 武満徹『時間の園丁』、生島遼一『鴨涯日日』、『ユリイカ吉岡実特集、以上3冊1000円。
 富岡多恵子『漫才作者秋田實』、200円。
 城一郎『三島由紀夫の本』、吉行淳之介掌篇小説選『百の唇』、黒田三郎『赤裸々にかたる』、以上3冊500円。などなど。
 夜、南さんが送って下さった、ズート・シムズディスコグラフィーを見て過ごす。風呂にまで持って入る。