古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

本日も善行堂12時から20時までの営業です。
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夏葉社「山の上の家」をゆっくり読んでいる。
庄野潤三さんの本棚を眺めていると、十和田操「山奥の聖家族」が。
こんな本が出ていたのか。すぐに注文する。
井伏鱒二の本も並んでいると美しい。
自分の好きな作家のものが並ぶと美しい。
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wacaさん、東京からの二人を連れて来てくれる。
魚雷くんやピンポンくんから善行堂のことを聞いていたという。
だからではないが、この二人、この先もっともっと伸びるんじゃないでしょうか(笑)。
いろいろ話せてよかった。
また、東京高円寺の「ペリカン時代」で会いましょう、と言って別れた。
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関口良雄さんの「銀杏子句集」を買った若い女性に話しかける。
すごいのを買いましたね、みたいなことを言ってしまう。
聞いてみると、この前来て、買いたかったのが買えなくて、気になって今日買いにきたと。
作者のことは知らないが、良い本のような気がしたと。
偉いですね、すごいですね、この一冊を選ぶのは。
そんな話をしていると、彼女は、本を買ってこんなに褒められたのは初めてだと喜んでくれた。
思い出したが、この前、彼女が迷っていた時、ゆずぽんもいたんだ。
彼女が帰ったあと、ゆずぽんが「買って欲しかったですね」と言ったのだった。
これは一冊売れてその利益が、という話では全くなくて、
彼女は、関口さんのことも装幀した山高さんのことも知らなくても、棚にある本の良さを感じていたのだ。
ゆずぽんは、彼女が抜いたのが関口さんの句集だと知っていたし、彼女の思いも感じていたに違いない。
僕が、ゆずぽんがスゴイ、と前から言っているのはこういうところでもあるのだ。
「買って欲しかったですね」という、ゆずぽんの言葉は今でも私のこころにある。
今日買いに来てくれたよ、とゆずぽんに伝えたい。