古本ソムリエの日記

古書善行堂 山本善行

本日の善行堂12時から20時までの営業です。
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車から、女子高生?、車に残っているのはお母さんか。
1時間ぐらいかけて、じっくり善行堂の棚を見てくれる。
もうその見方で感心する。
買ってくれたのは、志賀直哉、織田作、里見弴。
こうなると、自分の目を持っているのがわかる。
流行や人気でなく、自分の資質と向き合って、選んでいるのだと思った。
こんな若い子がいるのなら、私ももっとがんばれる。
話しかけてみると、この前、電話でお母さんが、武者小路実篤の「或る男」
久米正雄の「破船」を注文してくれたのだが、その娘さんだったのだ。
まさか女の子だとは思わなかった。
白樺派を中心に、いろいろと読んでいるのだろう。
織田作は、可能性の文学ということか。
批判からも学ぼうとしているのだろう。
文学は売れない、などという考えを一掃しよう。
私は、車で待っているお母さんのことが気になり、
注意して見ていたが、さすがに最後にはちょっとイライラしているように見えた。
でも彼女が車にもどるところも見ていたが、
怒る様子はなく、「良い本あった?」みたいな会話が想像できた。
「或る男」もお母さんが取りに来てくれたのだった。
お母さんにもありがとう、って言いたい。
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戸田勝久さんから、うれしい電話あり。
戸田さんに、もっと書物エッセイを書いて下さい、と言う。
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私も前から気になっている、小谷野敦の『久米正雄伝』が読みたくなった。