天神橋のプチ古書即売会をのぞく。
菊池寛『双愛記』昭和22年、永晃社、岩田専太郎装幀を100円で。
菊池寛のこの手の小説は、話が上手く運びすぎるという欠点はあるにせよ、読むとそれなりに面白い。戦後すぐの悪い紙、かんたんな造本ではあるが、なかなか趣きがある。
天牛に入り、平さんに挨拶して少し話す。「何か掘り出し本ありましたか」と聞かれたが、そうそうありませんよ。買ったのは、
佐々木マキ文、あまのあきこ絵『ミラクルバースデイ』100円。
トゥルゲーネフ『散文詩』、神西清訳、昭和23年、斎藤書店、680円。
時間が少しあったので、大阪駅前ビルのジャズ喫茶「ホワッツニュー」に入る。
買った本をチェックして、フィッツジェラルドを読む。ちょっと物足らない。だから、途中下車して、菊池寛を読んだ。
ジャズ喫茶でかかるレコードはたいてい聴いたことがあるが、今日のは見たことがないものだった。ジャケットをみせてもらいたかったが、常連客が手に取っていたので、見れなかった。菊池寛に入り込んでいたので、気がつけば次のレコードになっていた。
タイトルを覚えていたので、今調べてみると(便利)、渡辺貞夫だった。「TOKYO DATING」
そうだったのか。誰だろうと思いながら聴いていたが。
渡辺貞夫さんに、昔、京都の丸善で会ったことがあった。持ち歩いていた原稿用紙にサインしてもらった。そのころ原稿用紙を持って町をうろついていたが、ほとんど何も書けなかった。